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トピックス 2015-10-24

高齢化が進む今、高齢者の就業力が期待されるが・・・

草加、養父市SCが、週30~40時間、月15~20日間に緩和

常務理事(事業部長) 五味正彦

 

  会員数 受託 派遣 就業人数 就業会員

ここ数年、会員の減少が続き、毎月200名ほどの未就業会員がいる。

7月度 580 355 52 407 173
8月度 587 355 50 405 182
9月度 594 343 42 385 209

就業機会提供に就いては、10月以降大きな期待は出来ない。また、年末年始は、カレンダー的にも12月28日~1月5日の9日間という、ごく短期的な期間しかない。
 よく、年末年始は「子供や孫が来るので就業出来ない」、という連絡がありますが、原則的にそのような会員に就業紹介は出来なくなる。

シルバー人材センター連合会の統計によると、シルバーの会員減少に、歯止めがからず「会員100万達成」の夢が消えた形になった。平成21年に791,859名をピークに、毎年減少が続き、26年度の統計は721,712名まで減少した。

いろいろ理由はあるが、ここ数年、年金が小額などの理由で生活費を稼ぎたいという会員が急激に増加、シルバーの「週4日、月100時間以内の就業規制」を知り、特に60歳代の人たちが、月10万円は働きたいために、自ら地元新聞などで2か所の就業先を選択するケースが目立っています。
 働きたくても働けない規制のため会員の増員が進まないのが要因のような気もします。

 最新の統計でも、会員全体の統計を集計した場合月の配分金は僅か33,619円、7,8月の多忙期で40,477円、毎月継続就業している会員(約300名)さんの平均は65,000円近くになります。残念ながら、毎月の未就業会員は200名になります。

草加市、養父(やぶ)市SCが月30~40時間就業に緩和

草加市SCは、今年度から週30時間、月15日間働けるようになった。月の配分金が6万円から7万円になり、低年金だけでは、生活できなかった会員が多く、入会会員が増えつつあるという。会員の入会理由は、「少ない年金だけでは、満足な生活が維持できない」ので、という方が入会動機の65%になっている。

 また、農業の国家戦略特区に指定されていた兵庫県養父(やぶ)市シルバーセンターが派遣する会員の労働時間を週20時間から40時間(月20日間)に改正した。労働時間の延長は,養父市が昨年9月に要望、規制緩和に2年を要したが、要請した30時間が大幅に改正された。

 全国的に、会員の就業時間の緩和は、まだ時間が係るようだが、緩和された時点での受け止め方にも各センターには大きなハンデがある。

労働力が不足している養父市。また埼玉県草加市のように会員1万人、年間事業実績が1億円もあるSCとの格差は大きい。いずれも高齢化が進み、労働人口が減少しているセンターには、「就業機会確保」の好機ではある。

就業時間緩和になっても就業機会は増えない現状

 今後、シルバーセンターの就業時間の緩和が全国的に展開された場合、ますます元気な会員の確保が最大の課題になると思われます。

特に昨年来、伊東市内に多くの老人介護やデイサービス、グループホームが誕生しているが、現在それらの事業所への就業は、夜間管理、デイサービスの運転代行、洗濯、館内清掃しかなく、介護士の講習者への就業も60歳代に限定されており、かってヘルパー2級の受講生が60名近く在籍していたが、ほぼ全員が70歳以上のため「就業機会はゼロ。

他のセンターでは、市から高齢者の見守りなどの就業依頼があるが、市内に多くの老人介護関連の事業所が乱立しているものの、如何にしてこの業界に関連してゆくかが大きな課題になる。

 市内の、事業所は限りがあり、大型店舗、工場もない
 就業先を、どう開拓するか、仕事が無ければ人は集まらない

一方、新たに入会されてくる人たちの高齢化が気になります。ホテルなどの就業はどちらかと言うと、高齢者にはきつい内容です。徐々に働く会員の年齢が絞られてくるはずです。

先日、ある伊豆高原の保養所へ、洗い場、調理補助として、84歳と85歳の女性2名が就業を始めました。2名とも半月前にある保養所の面接で「70歳以上はお断り」という辛い思いをしましたが、理解ある職場に恵まれました。

久しぶり晴れ晴れした気持ちになりました。

(2015.10.24)

トピックス 2015-9-4

シルバー派遣・60歳代の会員確保が先決

 後期高齢者には負担が、余りにも大きい 。

常務理事(執行担当) 五味正彦

 

8月下旬のある日、派遣契約である保養所に、就業を始めたばかりの73歳の女性会員が、就業相談に訪れた。

紹介された保養所の作業は「調理補助」。初日から係りの人から「あれやれ、これやれ]の指令の連続。高い場所にある「を取れ」、、、と相次ぐ命令が続く。

「派遣で来ているので仕方がないとは思ったが、続ける意欲が失せ」僅か7日でリタイアした。

74歳の男性のケース

先ず、彼の口から出た言葉は「先ず、発注者先に出向き、作業40代、50代の元気な労働者を要求してくるのは当然の権利である。内容の確認、職場で共に働く年齢層などの確認」が重要ではないか。 その内容を把握後、就業希望会員によく説明が必要ではないか。

一番の重要課題は、やはり高齢のシルバー会員に、果たして就業可能な[作業なのか]という問題だ。

相手側はシルバーセンターの内容がよく理解していないようで、「派遣なんだから、何でも命令に従ってもらう」という先入観があり、後々これらの問題が起きる可能性がある、と彼はいう。

  はたして、作業の内容が、シルバーの会員に適正な就業なのかを、見極める必要性がある。自分自身は、今の作業は苦痛だという。高齢者にはマッチしない作業だと、いう。

 派遣には60~69歳代の会員確保が先決

事業所から見た場合、派遣契約で労働者を依頼してくるわけだから、当然、体力のある兵隊を求めてくる。平均73.4歳の高齢者の集団には大きな負担になる。  

現在21社の事業所が派遣契約を結んだが、(2社は契約済みだが)、就業会員が4、5日で就業を中断したため中止した。

 大型ホテルの清掃を見ても、50代の若いパートさんと作業をするため、様々なトラブルが起きている。 作業が比較される機会が多く、ほぼ同じ時間給で働くパートさんからは「邪魔者扱い」されるケースがある。

 

(2015.9.4)

トピックス 2015-7-31

労働時間上限を週30~35時間へ、現行は週20時間、月10日以内の就業

常務理事(執行担当) 五味正彦

 

 

生きがい、か、生活費稼ぎか・・・全国のシルバー人材センターの入会者が減少しています。
かってシルバーセンターの会員は、全国で73万に達し、この勢いを背景に「会員100万人」を大きな目標にして、大々的な会員増員計画が全国展開されました。
しかし、どうしたことか増員どころか、会員の減少が始まりました。

現在、全国のシルバー人材センターの会員の就業は、厚生省の指導のもと 「週20時間、月10日以内の就業」が義務付けられています。

 各地域により就業内容は異なりますが、基本的には 月=10日間の就業の場合は、1日4時間830円で就業した場合の収入は、月額33,200になります。この金額がシルバー会員の全国的な平均的な収入だと思います。

 受託(請負)でも派遣契約でも同じことです。

 最近、60歳代の女性会員が、入会したものの「作業量が少ない。予定していた収入よりかなり低額なので、就業を破棄した」ケースが気になります。

 シルバーでは、自分が生活費に必要な9万円は稼げない、とはっきり言う会員さんも多く在籍しています。

 実際入会後のアンケートでも「月6~8万円]を希望する会員が60%以上で、特に年金が月額にして2,3万の女性会員が多いのが現状です。。

厚生労働省は、シルバー人材センターを通じて働く高齢者に就いて、現行の週20時間しか働けない規制を年内にも30~35時間に緩和する。

現在、全国のシルバーセンターに登録している会員数(60歳以上)は、約73万人。 しかし、もっと働きたい元気な高齢者の入会が年々減少している。

 働きたくても就業時間が規制されて、自分が働いて得る収入が想像より低い、という声も多いのが現状です。

シルバー人材センターの会員数は、全国の65歳以上の労働力人口の1割に相当、年々増える高齢者に働きやすい環境をそなえ、人手不足のなか活用したいという自治体などの要望に対応する。

厚生省の生涯現役社会の実現に向けた検討会での報告書(27年5月)の素案に盛り込まれた。
全国のセンターでは、就労時間や業務内容の緩和や撤廃を求めるセンターが60%だという。

日本人の平均寿命が男性は80.87歳に、女性は86.61歳に

(27.7.31)

トピックス 2015-5-30

後期高齢者は、もう不要な「もの」なのか・・・
   働く意欲ある65~70歳の会員増員が最大の課題に

常務理事(執行担当) 五味正彦

 

 

75歳になると、後期高齢者と名付けられ、時折「もう人間ではいのか」という錯覚を覚える時がある。国民保険からも除外される。

 生命保険や傷害保険にも加入することが出来ない。
つい先日、旅行に行く機会があり、海外旅行保険に申し込んだところ「70歳以上なのでお受け出来ません」と断られた。

 一人の人間としての「価値」が無く、余りものという印象を受けた。 年をとると、こんな残虐な場面に遭遇することになる。

 高齢者に就業機会を増強するために、労働厚生省は、全国にシルバー人材センターを増設するという。

しかし、現在シルバーセンターの会員は、全国的に年々減少している。 入会者より、退会者が多く、全国の会員は一時80万人に届くほどの勢いだったが25年3月の会員数は72万人と、年々減少してきている。

 原因は、いろいろ考えられるが、生活費を稼ぐために入会したものの、自分に合った仕事が無い、作業内容が高齢者には不向き、などの理由で退会者が多い傾向がある。

 その受皿のシルバー人材センターが「労働者派遣業」に本格的に参入した。

昔、派遣を利用する機会があった。どうしてもフランス語で請求書を作成する必要になり、ビジネス専門の派遣会社に、派遣要員を依頼した経験があった。僅かな時間だったが高額な費用だった記憶がある。

労働派遣という言葉から、65歳~70歳までの体力のある労働者を想定するが、平均年齢が73,74歳の会員にはたして、市内の事業者の反応はどうなのかと疑問が多い。

 明確に、受託(請負)作業でも70歳以上の方は不要、という事業所は多い。 裏を返すと「作業内容が齢者には無理」だということになる。  運転代行も70歳まで、という事業者からの声が多い。

新たに就業会員を求めてくる事業者に対しては、まず「派遣対応」で契約を推移することによって、新たな需要が期待できる。

 発注者の好きなような人材を選択してもらうことが、何よりでトラブルも起きない。

いずれにしても、有能な人材不足は当分続く気配で、センターとしても元気な65歳から70歳までの会員確保が最大の課題になりそうだ。  (27.5.30)

トピックス 2015-3-4

「高齢者などの雇用の安定」などに関する法律が改正
偽装請負・・・事業者の理解と努力が必要

常務理事(執行担当) 五味正彦

 

 

シルバー派遣に次いで有料職業紹介が誕生した。従来までの委任「委託」 では禁止されていた作業が可能になった。

 事業者が指揮、命令で就業会員を活用出来、パート社員との合同作業が出来るのが大きな利点。  しかし、月10日間、週5日間の労働時間などの規制がある。 賃金は、給与となり源泉徴収の対象になり、労災保険に加入する。

 事業者は、派遣契約の場合、賃金の20%の手数料に8%の消費税、有料職業紹介の場合は10%の手数料に8%の消費税が必要になる。

 有料職業紹介の場合の労災保険料は、事業者の負担になる。  偽装請負で多くのセンターが改善命令受ける。

 昨年、多くのセンターが「偽装請負」で新聞紙上をにぎわした。
結果的には、シルバーセンターの会員に作業の指示、命令、パートとの共同作業を指示、といった「派遣まがいの行為」が相次いで摘発された。 また、あるセンターでは重労働による事故が発生している。

 伊東市の場合、観光都市という特殊な地域で、他のセンターではないホテルの清掃関連作業が、就業全体の70%を締めている。
当然、大型ホテルや女将さん中心の小規模な割烹料亭旅館の多い中で、市内の労働力の過半数が観光関連の職場であり、30代、40代でもパートとして働き、社会保険制度の完備されている企業は数えるほどしかない。

東京などへ若い人たちが相次いで脱出。人口減少の大きな問題になっている。

 ホテルの支配人、スーパーの店長、経理担当職員以外はすべてパートで占められているのが現状。僅かな掛け金の「雇用保険」にさえ加入していない企業が過半数である。

 ある知名度のあるホテルに7名ほどの会員が就業中だが、就業会員の配分金は877円。同じ職場で働く40代、50代の若いパート女性の賃金は850円だという。
何だか信じられない話である。

 ある会員さんは、「自分たちは体力もない、70才以上の高齢者なのだから、県の最低賃金765円でも、委託(請負)なんだからもっと低い配分金でも、誰も文句を言う人はいないはず。カレンダーに○印が付けられる「就業日」があるだけで幸せだ、生きがいだ、という人も多い。

 高齢者に適した、シルバーセンターの会員にふさわしい仕事の開拓が必要である。高額な配分金より、より楽しく働ける環境が必要である。

 公園管理、コミセンの夜間管理、遊歩道の点検、小中学のトイレ清掃、特養(老人施設)の夜間管理、休日の受付、管理、花の水やり、犬、猫の餌やり、袋詰め作業、プールの料金徴収、リゾートマンション管理、野外作業、駐車場の管理、ホームページの制作、管理、データーの入力、アンケート集計、受付業務、チラシ制作、配布など、また市内に多い小病院の開店前の清掃など、後期高齢者でも十分対応できる就業先は多いはずである。

 体力が要求されるホテルの客室清掃、大浴場清掃などは、シルバー会員の作業としては不向きな仕事である。自分の知る限り、シルバーセンターで「ホテル関連作業の就業案内」を見る機会がない。たぶん「伊東市」だけだと思います。

 会員の約30%が後期高齢者になり、ますます高齢化が進んでおり、特に行政との連携を図る必要が急務だと思います。  (27.3.4)

トピックス 2015-2-14

適正就業へ一歩前進 委任(請負)から派遣契約へ
調理補助、商品の品出し、惣菜、配達など

常務理事(執行担当) 五味正彦

 

新年度の就業契約更新時期を迎え、現在契約更新作業に入っています。

新たに前記の就業は「請負から派遣」への切り替えが必要で、事業者からの戸惑いも感じます。
あるホテルの支配人は「派遣の手数料=時間給+手数料20.8%は払えない。非常に大切な人ですが、そんな高額な賃金を払うならハローワークから、もっと若く、経験ある人が雇える」と明言。

 また、ある大型ホテルの人事部長は「高齢者のシルバーさん雇用は、市の関係からボランティアの気持ちで対応してきたが、時間給1,037円の支払いは不可能」と、断言した。

 現在、事業実績の70%以上を占めているホテル関連の就業内容には大きな問題点がある。いわゆる「派遣まがいの就業内容」であることだ。

 事業者(女将)や古参のパートさんからの指示、命令で働く  パートさんとの共同作業である
社名入りのユニホームを着用している。

本来シルバーセンターが受注している職種は、駐輪場の管理、マンションの管理、公園清掃、ス-パーなどの清掃などが主流で、退職後、在職中の経験から庭木手入れ、障子の張り替え、大工仕事、ペンキ塗りなどを生かした就業がある。

伊東市の場合は、観光地ということからホテル関連の清掃が主流で体力勝負という特殊な重労働が要求される「職場」がメインで、高齢者の仕事ではない。

全国のシルバーセンターでも、ごく限定された「地域の作業」地帯である。 まして、後期高齢者が就業できる職種ではない。

近い将来、いつまでも現在のままの就業開拓のままでは未来がない、と思います。
年々高齢会員が増大する傾向にあり、高齢化時代に合った就業機会の開拓が急務になるはずです。

 公園清掃、遊歩道の管理、コミセンの受付、夜間管理、マンション管理業務、開店前の医院の清掃、スパー、大型店のカート管理、塔台の管理、清掃、スーパーの清掃、量販店の植木の水やり、菓子メーカーの包装、保育園の育児支援、別荘などの管理、大型店のカート管理、小中学校のトイレ清掃など。 その他、ホームページの制作、管理。

従来トラブルが多かったホテルの清掃業務に関しては、高齢者には不向きであり、今後の対応には十分考慮する点も多い。

ホテル、老人施設、保養所の夜間管理、大浴場清掃、営繕、設備管理に就いては、事前に「就業内容内訳明細書」を事業所から提供してもらい、就業会員の理解の上で就業を始めるシステムにすべきだと思います。

なお、事業所に「就業会員紹介状」を送付する際は、個人情報などの問題もあり、年齢、住所などは明記せず、面談日に[就業会員が承諾後」に送付する。

 再度、派遣の諸問題に戻りますが、4月以降「派遣契約」に移行した場合、今まで受け取っていた配分金が減る事態もあると思います。最悪の場合は、職場を失うこともあります。派遣の場合、配分金ではなく賃金として支払いを受け、事業者の命令のもとで働きます。労災が適用になります。

 派遣契約の場合:時間給770円の場合、事業者の負担は998円になります。
 800円の場合は、1,037円、850円の場合は、1,102円、900円の場合は、1,166円
 が事業者の支払額になります。

27年度は、シルバーセンターをもっと知って貰い、会員増員キャンペーンを準備中でしたが、高齢者でも就業できる就業機会開拓を重点的に展開するべきだと判断。

会員増員より未就業会員対策を優先すべきだと考えております。   (27.2.14)